「パオパオの木」がある町は、急な坂の上にあります
駅からも遠く 小さな子どもを連れての外出は 不便な立地です
そのため 0歳児のママたちが団体を立ち上げ 広場を作りました
そして10年後 より充実した子育て支援の活動をするためにNPO法人を設立
現在は「横浜市補助事業 親と子のつどいの広場 マムマム」「パオパオこどもひろば」
「パオパオ菜園」などを運営し 親子がほっとできる場づくりや活動を行っています
マムマム誕生 (地域に親子が集える場を)
地域に子育て支援の場が少なかったため、0歳児のママたちが町内会館を借りて小さな広場を作りました。
始めた頃はおもちゃもイベントも少なかったけれど、参加する親子は少しずつ増えていきました。
週1回の活動は、乳児を抱えながらの運営で大変なこともありましたが、
3年目からボランティアの方が支えてくれるようになり、運営は安定しました。
やがてマムマムは、地域に欠かせない “親子が集える居場所” になっていきました。
続けるための挑戦 (担い手不足)
設立から10年が経つ頃、
マムマムはスタッフ不足という大きな壁に直面しました。
ほぼ無償ボランティアだけでは、
新しいスタッフを増やすことも難しく、団体の存続が危ぶまれる状況に。
そこで、私たちは市の補助事業に申請し、人件費を確保する道を探し始めました。
みんなの力で (クラウドファンディング)
市の補助事業に申請するには、
常設の活動場所を持つ必要があります。
そこで、クラウドファンディングを通して、
みなさまから寄付を募ることにしました。
たくさんの温かいご支援のおかげで、
目標を上回る金額を集めることができ、
活動を次のステップへ進めることができました。
「NPO法人パオパオの木」 設立 (法人化で未来へ)
横浜市の補助事業「親と子のつどいの広場」を申請するため、法人化を検討しました。
その頃、マムマムの設立者たちは「地域子ども会」を立ち上げ、
小学生が安心して遊べる居場所づくりも始めていました。
地域の子どもたちや親たちの活動の受け皿として、NPO法人「パオパオの木」を設立しました。
「親と子のつどいの広場マムマム」 開設
町内のマンションを借り、横浜市補助事業として「親と子のつどいの広場マムマム」を開設しました。
補助金で有給スタッフを雇用できるようになり、安定した運営が可能に。
開設日数も増え、地域に充実した子育て支援の場を提供できるようになりました。
設立から17年、これからも
2025年、0歳児のママたちが始めた小さな活動は、17年の時を経て少しずつ根を張り、成長し続けています。
「パオパオの木」は、親子が安心して集い、ほっとできる場を提供していきます。
NPO法人パオパオの木 理事長 伊藤奈美
子育ての不安から生まれた「広場」
団体を立ち上げたのは、娘が生後3か月の頃でした。
そんな早い時期に広場をつくる人はあまりいないと思いますが、
高齢出産だった私は、産後の体力がなかなか回復せず、ストレスを溜めていました。
私の住む町は坂の上にあり、駅からも遠く、乳児を連れての外出に疲弊していました。
近所のママたちは元気で若い人が多く、
体力的に自分とは合わない気がして、孤立するリスクも感じていました。
けれど地域の子育て支援の場は月1回しかなく、そこに来るママたちとの距離感も、
なかなか縮まらない気がして不安でした。
「もっと気軽に親子が集まれる場所があればいいのに」
そんな思いが、広場づくりのきっかけになりました。
子育ての悩みは、一人の問題ではない
設立当初は、こんなに長く広場スタッフを続けていくとは思っていませんでした。
しかし活動を続けていく中で、広場の価値を感じるようになりました。
子育てには正解がないため、悩みや不安を抱える人は多く、
気軽に相談し合える場はとても大切です。
広場をつくる前は、子育てにストレスを感じている要因のほとんどが自分にあると思っていました。
自分の子育てスキルや体力が足りないからだと。
けれど広場スタッフを経験していく中で、
育児ストレスには個人の能力はあまり関係ないと思うようになりました。
情報不足、または情報過多。その人を取り巻く環境など、要因はさまざまです。
そして育児ストレスの最大の原因は、社会的なものではないでしょうか。
私たちの母や祖母の頃までは、子育ては地域や家族の中で支え合いながら行われてきました。
しかし世の中の便利さが進むとともに、コミュニティは失われつつあります。
そのような社会的変化の中で、子育て支援の重要性やニーズは高まり、
私たちの広場も続けていかなければならないと感じています。
安心して集える場を未来へつなぐ
子育て支援が乏しい地域だったからこそ広場をつくりましたが、
継続していくことは決して容易ではありませんでした。
そのため、地域に広場があることが当たり前だとは思えませんでした。
だからこそ、親子が集える場があることの大切さをより強く感じ、
そのことが私の原動力となっています。
これまで、多くの方々のご協力のおかげで、広場を継続することができました。
そして「こどもひろば」や「親子の菜園体験」など、活動を広げることもできています。
けれど地域の課題に対しては、まだやるべきことが山積していると感じています。
これからは、子育て支援を担う人材の育成ができる体制をつくり、
地域のさまざまなニーズに応えられる団体運営を目指していきたいと思います。
